行間から滲み出る本音


マンガ雑誌には大抵作者のひとことコメント欄(近況報告?)のようなものがある。掲載箇所は雑誌の最後尾の目次欄だったりそれぞれのマンガの中の柱だったりと雑誌によって異なるが、現在描かせて頂いているプリンセスGOLDは後者である。
このひとことコメントというものが苦手で苦手で、毎回たった五十文字前後のコメントに一時間くらい何を書けばいいのかと頭を悩ませる。そもそも、毎日つらつらとマンガ描いているだけの変わりばえのない日常で、わざわざ雑誌に載せてまで読者様に報告することがない。いや、何もない訳ではないのだが、GOLDに載せるコメントとしては自主規制をかけてしまうような内容だったりする(どんなだ)。その回の自分のマンガに関する楽屋話やネタ話を書くと言うのも手なのだが、自分のオリジナル作品ではないのでそれもいかんせん出来かねる(別に止められている訳ではないが、何となく心情的に)。そして例え書くことがあったとしても、それを五十文字前後にまとめることが出来ない。せめて百文字あったなら。
結果、非常に内容のない、どうでもいい時候の挨拶みたいなコメントになる。時候の挨拶も微妙に時期がずれるからどうかと思うのだが。

その苦手意識のせいなのかなんなのか、自分は柱を入れるコマ外スペースを取るのを毎回見事にうっかり忘れる(決してわざとではない)。最初の頃は担当氏も注意してくれていたのだが、最近いくら言っても学習しないので言うだけ無駄だと思ったのか、どうせ書かせても内容が薄いからわざわざ載せる意味が無いと思ったのか(多分両方)、最近は何も言われなくなった。そんな訳で『霊験お初』には毎回作者近況コメント柱がない。自分はコメントに頭を悩ませずに済んでいるのでありがたい。

実はGOLDのコメント柱は作者への『お便り応募』欄でもある。故に『手紙が一通も来ないのはコメント柱を載せていないから、手紙の宛先が不明だからだ!』という口実大義名分を手に入れることが可能である。担当氏もきっと『一通も来ていません』と自分に言うのがしのびないがために自分にコメントを強要しないのであろうと思うと、その温情に思わず目頭が熱くなる。……。

とはいえ一応は前向きに、次回は『書くのが楽で読者様が思わず次号を読みたくなるようなコメント』を考えてみようかと思う。
例:『三号分のコメントの頭文字をつなげると一つの文字になります、それをブログのメアドに送ると何かプレゼント』。ブログのPVも増えて一石二鳥。何かって何だ。以下次回。嘘です。